フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

フリーの臨床心理士として活動するまでの記録をブログに残します。学習知識、考察、etc...

【対策・アセスメント編】500文字前後

 

f:id:fRoy:20180921215443j:plain

論述対策として、500文字前後に文章をまとめておく。

 

今回のテーマは、臨床心理査定(アセスメント)

 

 

 

インテーク面接の重要性・必要な情報・留意点(504文字)

 

インテーク面接とは、クライエントが相談機関を最初に訪れた時に行われる面接のことで、その後の支援を円滑にするために重要である。

 インテーク面接は、カウンセラーがクライエントとの間に治療同盟を築くことを目的として、ラポールの形成、臨床心理査定、治療仮説と治療目標を設定、インフォームドコンセントの取得といった流れで行われ、最終的に、治療契約が締結され、治療同盟を組むのである。

 その際は、まず、ラポールの形成に十分配慮せねばならない。これが不十分だと、支援をすること自体が困難となる。また、クライエントの負担を考慮し、臨床心理査定は、最低限にとどめる。そして、インフォームドコンセントを得る際は、十分な情報提供に配慮する。

 以上に配慮した上で、インテーク面接では、生物心理社会モデルに基づいて、生物学的、心理的、社会的要因の3側面について情報を収集する。社会的不適応は単一の要因ではなく、複数の要因の相互作用によって生じるものと考えられるからである。

 具体的には、生物学的要因に、障害や疾病の有無、既往歴、心理学的要因に、パーソナリティや認知傾向、社会的要因に、職場や学校の対人関係、社会的支援の有無などがある。

 

 

診断とアセスメントの共通点と違いを述べよ(511文字)

 

 心理学的なアセスメントも、精神医学的な診断も、個人の特徴を捉えることを目的とする点において共通する。しかし、臨床心理士と医師はその職域も役割も異なるので、診断とアセスメントは、本質的に異なる。 

 医師による診断は、疾病性の視点に立ち、個人の病的な側面に注目して、DSMなどの診断基準に則って病名や診断名を付与することを目指す。これは、病気や障害を特定し、投薬などの精神医学的な治療を施すために必要な活動といえる。

 一方、臨床心理士によるアセスメントは、事例性の視点に立ち、個人の生活に注目して生活上の困難や不適応の様相を見いだすことを目指す。このようなアセスメントのあり方は、臨床心理士の固有の専門業務の性質を反映したものである。

 臨床心理士の業務は、病気の治療ではなく、生活に不適応を抱えるクライエントに対して心理学的な再適応の支援を提供することである。そのために、疾病や障害を理解することは重要であるが、それはクライエントの生活の一部であり、全てではない。むしろ、病気になった経緯、発病に伴う生活の変化、クライエントを取り巻く社会的支援など、幅広い視野を持って生活を俯瞰し、治療仮説・治療計画を立てることが求められる。

 

 

疾病性と事例性とは何かを述べ、それぞれの立場に基づくメリットとデメリットを具体的な臨床像をあげて説明せよ。 (478文字)

疾病性とは、見立てに置いてクライエントの病的側面に目を向ける視点、一方、事例性とは、クライエントの生活的側面に目を向ける視点のことである。

 例えば、統合失調症で休職した会社員のクライエントを考えてみる。そこで、不眠、抑うつ、気力の減退、偏った認知など、症状に着目して統合失調症などの兆候を見いだすのが疾病性。

 一方、本人や家族はその状態をどのように考えているのか、同じ職場に戻ることは得策なのか、職場や家庭の支援はあるのか、などといった、個人の社会生活に注目するのが事例性である。

 事例性に注目した場合、その後の支援として、本人のカウンセリングを通じた心理支援のほか、家族への支援、職場との関係調整など、生活全般を見据えた上での援助ができるというメリットがある。ただし、疾病性を見逃して精神医学的な治療の機会を逸するといったデメリットもあるので、医師との連携のもと病気の治療を目指すことも重要である。もちろん、疾病性だけに偏ってしまえば、そのクライエントに固有の心理的、社会的側面を見失う。心理臨床は事例性を基礎としつつ、疾病性も考慮することで、適切な支援に繋がるのである。

 

 

テストバッテリー(503文字)

 

 テストバッテリーとは、複数の検査を組み合わせて用いることを言う。臨床心理査定において、心理検査は、クライエントの性格や行動など、パーソナリティの理解を目的とする。しかし、1つの心理検査で捉えられるパーソナリティは限定的であり、また、各検査法には固有の欠点があるため、これらを補完するために、テストバッテリーが推奨される。

 投影法検査は、パーソナリティを無意識レベルで評価できるとされ、心理的な問題を深層から明らかにする際に有効である。一方、検査結果の解釈に検査者の主観が入りやすいため、判定の正確さに疑問が残るといった欠点がある。そこで、投影法実施の際には、質問紙法検査とのバッテリーを組むことがある。

 

 質問紙法検査は、意識レベルの行動や性格特性を評価するため、クライエントの深い理解には物足りず、回答の歪みも生じやすい。一方で、結果の判定が客観的に行われ、統計的な分析が可能であるため、投影法の欠点を補うことができる。

 

 この様に、検査を組み合わせると、クライエントを多角的に判断できる様になるが、その反面、クライエントの負担も大きくなる。そのため、テストバッテリーは3種類程度までにするなどの注意が必要である。

 

心理検査における、実施、解釈、フィードバックの際の留意点(472文字)

 まず、心理検査の実施の際の留意点には、ラポールの形成とインフォームドコンセントがある。クライエントは、心理検査で何が行われるかということに対し、不安や緊張を抱いていると考えられる。そのため、クライエントが少しでも安心して心理検査を受けられるようにラポールを十分に形成し、どのような目的でどのような検査が行われるのかを事前に説明し、合意を得た上で、心理検査を実施することが求められる。

 

 次に、心理検査の解釈の際の留意点として、その心理検査のマニュアルに沿って解釈することも重要であるが、インテーク面接の際に得られるクライエントの情報や、心理検査の場面でのクライエントの態度なども考慮し解釈する点が挙げられる。

 

 最後に、クライエントのフィードバックの際の留意点として、クライエントにもわかりやすい言葉で伝えることを心がけ、心理検査の限界についても説明することが挙げられる。また、フィードバックの際に生じるクライエントの反応や言動は、クライエントをより深く理解するための手がかりとなるため、フィードバックの際にも注意深く観察をすることが挙げられる。

 

心理検査実施する際の留意点(513)

 

心理検査を実施する際の留意点は、以下の通り。

 第一に、目的に沿った検査を選択することがあげられる。心理検査によって何を測ろうとしているのか、それがクライエントの主訴にあっているのかという点を見極めて検査を選択する必要がある。

 第二に、インフォームドコンセント、つまり、相手の同意を得た上で検査を実施することが挙げられる。支援を受けるか否かは本人の意思によるため、なぜその検査が必要なのか、どのような検査なのかということを事前に説明し受ける側の納得を得なければ検査を行うことはできないからである。

 第三に、ラポールの形成が挙げられる。せっかく検査を実施できてもクライエントの適性が正確に測れなければ意味がない。そのため、クライエントが少しでも安心かつ集中できるような環境づくりや、検査に対する十分な説明をして、ラポールを形成することが求められる。

 第四に、心理検査の際の行動を観察することが挙げられる。結果の解釈の際には、その心理検査のマニュアルに沿って解釈することも確かに重要である。しかし、数値だけでなく、検査時の行動観察、背景情報なども合わせて総合的に判断していくことがより求められる。そのため、検査中の行動にも注意払う。



心理検査フィードバックする際の留意点(514)

 

 第一に、わかりやすい言葉で情報を絞って伝える点が挙げられる。具体的には、専門用語をできるだけ避けたり、クライエントの年齢や性別に合わせた表現を用いる。また、情報が多すぎすると、かえって混乱するため、必要な情報のみを伝えるようにする。その際は、クライエントの抵抗や心理的不安に対しても十分配慮する。

 第二に、役に立つ情報を伝える点が挙げられる。単に数値の羅列を伝えるのではなく、その情報がクライエントにどのように役立つのかといった、今後のアドバイスになるような報告を心がける。

 第三に、検査結果を話し合う点が挙げられる。心理検査は、検査者がクライエントを理解するためだけでなく、クライエントが自分自身を理解する事も含まれているため、話し合いを通じて、クライエントのより深い理解に繋げることが求められる。

 第四に、心理検査の限界を伝える点が挙げられる。心理検査で測定できるのは、クライエントに一側面にすぎないため、今回の結果が全てではないということを伝える。

 第五に、フィードバックの際の観察が挙げられる。フィードバックの際に得られる反応や言動は、クライエントをより深く理解するための手がかりとなるため観察に注意を怠らない様にする。

 

 

ビネー式知能検査とウェスクラー式知能検査における、それぞれの知能に対する考え方を述べよ(509)

 ビネー式知能検査は、知的障害児の早期発見を目的に作成された検査であり、子供の知的能力の発達の程度の把握を目指す。

 例えば、初等教育開始時点で、精神年齢が3歳の子供は他の子供たちの勉強についていけない可能性が高く、特殊教育を考慮する必要がある。そのような、教育場面における子供の発達特性の理解を目指す発達検査としての性質を重視して作成されたのが、ビネー式知能検査である。

 含まれる課題は多岐に渡るが、その種類別の集計などは意図しておらず、単一の指標として精神年齢が測定される。このように、知能は一因子であると考える事から、概観的知能検査と呼ばれる。

 一方、ウェスクラー式知能検査は、精神障害発達障害の診断を目的として作成された検査である。この検査では、知能を複数の能力の集合からなる総合的能力だと考える。そのため、言語理解・知能推理・ワーキングメモリ・処理速度といった、複数の種類の検査を通じ、知的能力の偏りを把握する事ができる。この時、ディスクレパンシーが生じると、知能発達や精神機能に何らかの異常が生じている可能性がある。このように、知能は多因子の複合と考える事から、診断的知能検査と呼ばれる。

 

心理テストの種類を、質問紙法、投影法、作業検査法に分けたときのそれぞれの特徴を長所と短所に触れながら述べなさい。また、質問紙法、投影法、作業検査法のそれぞれの代表的なテスト名をあげ、それらの特徴を説明しなさい。(501) 

 まず、質問紙法は、あらかじめ定められた質問項目に回答してらうことにより、データを得る方法のこと。長所には、集団実施が行いやすいことと、客観的に測定でき統計的な解析が可能である点が挙げられる。短所は、回答バイアスが生じやすく、無意識的な側面が測定できないこと。代表例には、ハザウェイとマッキンレイにより開発されたMMPIがある。このテストは、健常人と精神病患者の間で有意差のある550の質問項目から構成されている。

 次に、投影法は、多義的で曖昧な刺激を提示しそこから得られる反応から個人の性格特性を把握しようとする手法。長所は、無意識的な側面を測定できる点。短所は、集団実施が困難かつ、結果の解釈に主観が入りやすい点などが挙げられる。代表例には、主題統覚検査があり、一枚の絵から物語を作ってもらう手法。

 最後に、作業検査法は、簡単な作業を行わせて、その結果から性格特性を捉える方法である。長所は、言語能力の依存が少なく、回答の歪みも生じにくい点。短所は、得られる情報が多くない点があげられる。代表例には、内田クレペリン作業検査がある。1桁の連続加算作業を、内田勇三郎が改良してできた日本独自の作業検査。

 

心理アセスメントで使用される質問紙法を5つ100字で説明せよ。

 MMPIは、ハザウェイとマッキンレイにより開発された性格検査で、健常人と精神病患者の間で有意差があった項目により構成される。550の質問項目からなり、10の臨床尺度と4の妥当性尺度を有している。(97)

 YG性格検査は、ギルフォードが開発した検査を、矢田部達郎が日本用に標準化した。120の質問項目から構成され、12の性格分類が可能。基盤となる理論は特性論だが、結果の解釈は、類型論を背景に成り立っている。(101)

 MPIは、アイゼンクが、自らのパーソナリティ理論に基づいて開発した質問紙法のこと。具体的には、神経症傾向と外向性と内向性を測定する。日本版は、虚偽尺度や検証項目を含む80の質問項目からなる。(95)

 エゴグラムは、デュッセイが開発した性格検査。バーンの交流分析における構造分析をもとに作成され、5つの自我状態のそれぞれに対して、どの程度の心的エネルギーを配分しているかを測定する。(90)

 EPPSは、エドワーズの開発した性格検査。マレーの社会的欲求をもとに選ばれた15の欲求を測定する。同じ程度の社会的望ましさをもつ短い文章項目が対になって提示され、そのどちらかを強制的に選択する方法で行われる。(104)

 

心理アセスメントで使用される投影法を5つ100字で説明せよ。

 

 ロールシャッハテストは、インクを落として作った左右対称の図版をみてもらい、それが何に見えるか、どのように見えるかを自由に反応してもらう投影法人格検査の1つ。結果の解釈には包括システムや片口法が用いられる。(102)

 TATは、マレーとモーガンにより開発された。具体的には、1枚の絵から物語を作ってもらう。物語の分析を通して、被検査者のパーソナリティを明らかにしようとする。TATの解釈は、欲求・圧力理論に基づいている。(101)

 PFスタディは、ローゼンツァイクが、自らのフラストレーション耐性理論に基づいて開発した投影法の1つ。欲求不満場面が描かれた1枚の漫画のような絵の吹き出しに、自由にセリフを書き込んでもらい、それを分析する。(102)

 SCTは、文章完成法の略称で不完全な文章が提示され、その文章の続きを完成させる検査法。被検査者が書いた文章は、意識レベルと無意識レベルの中間、つまり、前意識レベルの投影であると考えられている。(96)

 ソンディテストは、ソンディが、開発した投影法。1930年代までのヨーロッパ人の精神障害者や犯罪者の顔写真48枚を見せて好きな顔写真と嫌いな写真を選んでもらい、被験者の衝動や葛藤を診断する。(94)

 

 

心理アセスメントで使用される描画法を5つ100字で説明せよ。

 人物画テストは、人物像を描いてもらい、被験者の発達の程度や性格特性を測る描画法。代表的なものに、日本で標準化されているのはDAMであり、「人をひとり描いてください」と教示し、男性像のみを採点の対象とする。(102)

 バウムテストは、コッホにより開発された投影法。A4用紙に「実のなる木を1本描いてください」という教示のもとに行われる。1本の木をその人の自己像とみなし、大きさ、形、バランスなどから被検査者の特徴を推測する。(103)

 HTPテストは、バックにより開発されたテストで、家と木と人を描いてもらい、性格特性を捉えようとする。家には家庭環境が、木には無意識的な自己像が、人には現実的な自己像がそれぞれ反映されやすい。(94)

 風景構成法とは、1枚の紙に風景を描いてもらう芸術療法の1つであり、中井久夫によって開発され、のちに投影法としても用いられる様になった。投影法の中でも描画者の自由度が高く、解釈が標準化されていないのが特徴。(102)

 動的家族画法は、バーンズとカウフマンが開発した描画法の1つ。被検査者に家族が何かしているところを描いてもらう。家族画には、個人の性格のみならず、家族間の関係性や対人関係の態度が投影されると考える。(98)

 

 

発達障害を持つことが疑われるクラインントの心理アセスメントについて述べよ(493)

 

 

 発達障害を持つことが疑われるクライエントにアセスメントを行う場合、実施時に自分がどのレベルのアセスメントをしているのかを意識しておくことが重要である。

 

 というのも、何らかの障害や、問題を抱えている可能性がある児童を発見するためのアプローチをスクリーニングというが、スクリーニングには、1次スクリーニングと2次スクリーニングの2つがある。今回のように、発達障害の疑いがあるクライエントにアセスメントを行う場合、2次スクリーニングが用いられる。

 

 なぜなら、2次スクリーニングとは、発達障害のリスクの高い群を対象に作成されたもので、1次スクリーニングで発達障害の特徴があると判断されたケースや、療育・医療・福祉機関などにすでにかかっている、リスクの高いケースを対象に、ASDADHD、LDなどの方向付けをするためのアセスメントということになるからだ。

 

 スクリーニングの方法としては、特定の障害に特化した質問紙、親への面接、本人の行動の直接観察などが挙げられる。スクリーニングは、その目的に応じて、対象年齢や使われる方法、調べられる内容も異なるため、支援に役立つように適切なツールを選ぶことが重要である。