フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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【対策・統計法&研究法編】東京福祉大学大学院

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東京福祉大学大学院の論述対策として、500文字前後に文章をまとめておく。

 

今回のテーマは、研究法&統計法編

 

 

 

法則定立的研究と個性記述的研究(479文字)

 法則定立的研究とは、人間の心や行動に関する普遍的で一般的な法則を導き出すことを目的とする研究のことである。ヴントのライプチヒ大学における心理学実験室の創設以来、心理学は哲学的な思想で人の心を語るのではなく、客観的なデータを収集し、それを明確な根拠として人の心に関する理論を構築する科学であることを目指してきた。そのため、法則定立的研究は近年まで心理学研究の中心であった。

 

 しかし、人間が生きる環境は複雑であり、発見された一般法則が常に現実生活に適するとは限らない。そのような法則定立的研究の欠点を補うために、特に発達心理学や臨床心理学の分野で注目が集まり始めた研究が個性記述的研究である。

 

個性記述的研究では、自然な現実場面で、時間の経過とともに変化する特定の個人をありのまま記述していくことを目的とする研究である。事例研究などがこの個性記述的研究に分類される。あくまで個人の記述であるため、得られた知見を一般化することは難しく、異なる事例同士の比較も単純にできないが、法則定立的研究で導かれるような一般法則では分からない個人の微細な側面を総合的に捉えることが可能である。

 

 

尺度水準(495文字)

 

 尺度水準とは、測定された数の意味や性質に沿って、数を分類する基準のこと。尺度水準は次の規則にしたがって4つに分類される。

 第一に、比例尺度がある。比例尺度は量的変数の下位分類であるため、等間隔性を持つことで、軽量が可能になるといった特徴がある。また、0がなんの意味もなさないことを意味する絶対原点を持つ。具体例には、長さや、重さなどが比例尺度に該当する。

 第二に、間隔尺度がある。比例尺度と同様に、量的変数の下位分類であるため、等間隔性が確保されているが、絶対原点を持たないと言う点で違いがある。例えば、気温などがあるが、長さの0cmは何もないことをさすが、0度は、温度が存在しないことではない。

 第三に、順序尺度がある。順序尺度は、等間隔性がないとされる質的変数の1つで、大小関係を持つことが特徴である。例えば、順位は、1位、2位、3位といった大小関係があるため、順序尺度にあたる。

 第四に、名義尺度がある。順序尺度同様に、等間隔性がないとされる質的変数の1つで、大小関係を持たないことが特徴。例えば、住所などは、その属性を表すにすぎず、大小関係を表すものではないため、名義尺度にあたる。

 

 

事例研究の定義・意義・問題点(491)

 事例研究とは、1例ないし、少数事例を取り上げ、各事例の個別性を尊重し、その個性を研究していく方法であり、臨床心理学の主となるアプローチである。

 心理学の研究では、普遍的なものの理解を目指す法則定立的研究と、独自的なものの理解を目指す個性記述的研究があるが、事例研究はこの個性記述的研究にあたる。

 

 臨床心理学では、一般性とはいっても、普遍的なものの理解を目指すのではなく、特定の事例の現実を理解するために有効なモデルを構成することが1つの目的として存在する。そして、事例研究は、このモデルを構築するための技法として用いられる。

 

 具体的には、第一に、個々の事例の経過から得られた知見が、ある治療法やパラダイムの評価・見直しに繋がるなど、一般性をもち、後の臨床に生かされることがある。第二に、クライエントへの理解を深め、その主観的な語りに基づいて内的世界を深く知ることに貢献することが挙げられる。

 

 ただし、事例研究には次の様な問題点もある。第一に、一例ないし少数事例を取り上げたにすぎないため、結果の適用性に限界がある。第二に、研究者の主観が入りやすいため、結果の解釈に疑問が残る点である。

 

 

心理統計法における仮説検定の考え方について述べなさい。

(528)

 統計的仮説検定とは、標本で起こった状況が偶然か、偶然でないかに注目して、母集団でも起こりうるかを検定すること。まず、ある事柄は偶然であるとする帰無仮説と、ある事柄は偶然ではないとする対立仮説を設定する。その後、対象の事柄が起こる確率を求め、有意水準以下であれば、帰無仮説は棄却される。その結果、対立仮説が採択され、偶然ではないと判断されるというのが大まかな流れとなる。

 例えば、A君とB君のじゃんけんの強さを検証した際に、A君が4連勝したため、A君とB君のじゃんけんの強さが偶然ではない事を証明したいとする。この場合、「A君がB君に4連勝したのは偶然である」のように立てるのが帰無仮説。一方、「A君がB君に4連勝したのは偶然ではない」とするのが対立仮説である。

 そして、帰無仮説、つまり、偶然であるはずの事柄が起こる確率が一般的に、5%か1%で設定される、有意水準以下であれば、帰無仮説が棄却され、対立仮説が採択されるので、”A君が4連勝したのは偶然ではない”ということが証明される。

 ただし、偶然起こる確率が有意水準を上回る場合、帰無仮説を棄却することはできない。その場合、帰無仮説と対立仮説のどちらが正しいかは判断できないことになるので注意が必要。

 

心理検査の標準化について説明せよ(493)

 標準化とは、ある心理検査を誰が受けても、その結果を的確に評価できる集団基準を作成するための作業のことを指し、標準化の手続きを経て作られた検査を標準検査と言う。標準検査は、検査問題から実施法、採点法、検査を実施して求めた得点の解釈法に至るまで一定にされている。つまり、これらの項目を一定にする事こそ標準化の目的であり、具体的には以下のような手続きが取られる。

 まず、複数の専門家によって候補になる項目を作成し検討を重ね、テストの再現性を高めるため、実施や採点のルールを定めておく。続いて、母集団からサンプルを抽出し、予備調査としてテストを実施し、その結果を元に項目分析を行う。その後、母集団からの特徴を代表するサンプルを得るために、無作為抽出をして本実験をおこない、もう一度項目分析を行う。最後に、テストを採点し、集団内での相対的な位置付けがわかるように集団基準を設定する。
 このように、標準化には、大変な手間とコストがかかるが、標準検査には”妥当性”と”信頼性”が備わっており、この信頼性と妥当性が備わっていることが、標準検査の条件であり、最大の特性とも言える。

 

 

心理学研究における4つのデータ収集方法について、そのメリットとデメリットについて説明しなさい(506)

 

 第一に、実験法によるデータ収集は、因果関係を明らかにできるという利点がある。ただし、実験という特殊な環境で起こったことが現実場面でも必ず起こるとは言い切れない。そのため、実験法から得られた知見については、現実場面に、適用できないというデメリットがある。

 第二に、質問紙法は、実験法と比較して実施が容易で、しかも多くの人数からデータを集めることができるため、広く用いられる。一方で、質問紙法の欠点には、現実自己ではない理想自己が反映されなど、回答の歪みが生じやすいことが挙げられる。

 第三に、観察法は、言語を必要としないため特に言語が困難な対象に適用できるというメリットがある。欠点としてはあくまで自然な行動を対象とするため、観察対象の行動が静止するまで待たねばならないこや、データの収集に、観察者の主観が含まれる点が挙げられる。

 第四に、面接法は、服装や髪型、視線やしぐさ、声色や話し方などの、非言語的情報収集が可能な点で有用である。しかし、情報の収集にあたり、調査者の主観が入りやすいことや、数量化が困難であるため、得られた知見を一般化することが困難である。

 以上が各データ収集方法のメリットとデメリットである。

 

 

心理学研究法としての質問紙と面接調査法について、それぞれの定義と特徴、留意点を述べなさい(497)

 

 質問紙法とは、質問紙を配布しそこに記入を求めることで、データを集める手法。質問紙法は、実験法と比較して実施が容易で、しかも多くの人数からデータを集めることができるため、広く用いられる。一方で、質問紙法の欠点には、現実自己ではない理想自己が反映されるなど、回答の歪みが生じやすいことが挙げられる。

 質問紙を使う際には、よく使われている質問紙尺度を採用することが重要である。そのほうが、ある集団の点数が一般的に言ってどの程度のレベルなのかを知ることができるからである。

 

 面接法は、調査者が被調査者に直接質問して、口頭で回答を求める手法。面接法は、服装や髪型、視線やしぐさ、声色や話し方などの、非言語的情報収集が可能な点で有用である。しかし、情報の収集にあたり、調査者の主観が入りやすいことや、数量化が困難であるため、得られた知見を一般化することが困難である。

 面接を実施する際は、静かで落ち着いて話のできる場所で行うことが望ましい。なぜなら、面接においてまず必要なのが、対象者とのラポール形成だからである。また、録音の許可や結果の公表などの条件について、対象者の確認をとることに配慮せねばならない。

 

心理学研究法としての観察法と実験法について、それぞれの定義と特徴、留意点を述べなさい(500)

 観察法は、調査者自身が調査対象を、直接観察して把握する手法。観察法は、言語を必要としないため特に言語が困難な対象に適用できるというメリットがある。欠点としてはあくまで自然な行動を対象とするため、観察対象の行動が静止するまで待たねばならないこや、データの収集に、観察者の主観が含まれる点が挙げられる。

 観察法を行う際には、行動の定義を明確にして信頼性を確保することや、食行動を査定するために、間食の回数を査定することは妥当かどうかなどの妥当性の確保について事前に検討をする点に注意する必要がある。

 

 実験法とは、独立変数のみ異なり、他は全て統制された2群を用意し、従属変数の比較を行う手法。実験法によるデータ収集は、因果関係を明らかにできるという利点がある。ただし、実験という特殊な環境で起こったことが現実場面でも必ず起こるとは言い切れない。そのため、実験法から得られた知見については、現実場面に、適用できないという批判がある。

 実験法を行う場合、因果関係の適切性を保証するための内的妥当性や、標本で得られた知見が、母集団の推測に役立つ結果であることを保証するための外的妥当性の確保に留意する必要がある。