フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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【対策・臨床心理査定(アセスメント)編】文教大学大学院

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文教大学大学院の専門試験対策向けに、心理療法に関する用語を150文字前後にまとめました。

 

今回のテーマは、臨床心理査定(アセスメント)です。

 

 

インテーク面接(165文字)

インテーク面接とは、クライエントから相談依頼を受けた後に、最初に行う面接のこと。インテークは、カウンセラーとクライエントの間で、治療同盟を結ぶ目的で行われ、ラポールの形成、臨床心理査定、治療仮説をたて、治療目標を設定し、インフォームドコンセントを得ることも含まれる。そのため、その後の支援を円滑にするために非常に重要な意義がある。

 



実験法(164文字)

 

実験法とは、独立変数のみ異なり、他は全て統制された2群を用意し、従属変数の比較を行う手法。実験法によるデータ収集は、因果関係を明らかにできるという利点がある。ただし、実験という特殊な環境で起こったことが現実場面でも必ず起こるとは言い切れない。そのため、実験法から得られた知見については、現実場面に、適用できないという批判がある。

 

質問紙法(150文字)

質問紙法とは、質問紙を配布しそこに記入を求めることで、データを集める手法。質問紙法は、実験法と比較して実施が容易で、しかも多くの人数からデータを集めることができるため、広く用いられる。一方で、質問紙法の欠点には、現実自己ではない理想自己が反映されなど、回答の歪みが生じやすいことが挙げられる。



観察法(149文字)

観察法は、調査者自身が調査対象を、直接観察して把握する手法。観察法は、言語を必要としないため特に言語が困難な対象に適用できるというメリットがある。欠点としてはあくまで自然な行動を対象とするため、観察対象の行動が静止するまで待たねばならないこや、データの収集に、観察者の主観が含まれる点が挙げられる。

 

面接法(143文字)

面接法は、調査者が被調査者に直接質問して、口頭で回答を求める手法。面接法は、服装や髪型、視線や仕草、声色や話し方などの、非言語的情報収集が可能な点で有用である。しかし、情報の収集にあたり、調査者の主観が入りやすいことや、数量化が困難であるため、得られた知見を一般化することが困難である。



テストバッテリー(160)

テストバッテリーとは、複数の検査を組み合わせて用いることを言う。臨床心理査定において、心理検査は、クライエントの性格や行動など、パーソナリティの理解を目的とする。しかし、1つの心理検査で捉えられるパーソナリティは限定的であり、また、各検査法には固有の欠点があるため、これらを補完するために、テストバッテリーが推奨される。

 

質問紙法(156)

質問紙法とは、あらかじめ定められた質問項目に回答してらうことにより、データを得る方法のこと。質問紙法の長所には、集団実施が行いやすいことと、客観的に測定でき統計的な解析が可能である点が挙げられる。短所は、回答バイアスが生じやすいことと、無意識的な側面が測定できないこと。代表例には、MMPIやYG性格検査がある。

 

MMPI(155)

質問紙法の1つで、ハザウェイとマッキンレイにより開発された性格検査。健常人と精神病患者の間で有意差があった項目により構成される。550の質問項目からなり、10の臨床尺度と4の妥当性尺度を有している。精神医学的な診断を下すための検査として開発されたため、特定の人格理論ではなく、臨床経験に基づいて作成されている。

YG性格検査(145)

ギルフォードが開発した性格検査を、矢田部達郎が日本人向けに標準化した質問紙法。120の質問項目から構成され、12の性格分類が可能。YG性格検査の基盤となる理論は特性論だが、結果の解釈における判定は、類型論を背景に成り立っている。妥当性尺度がないため、回答の歪みを判断できない点に問題がある。

 

MPI(104)

モーズレイ性格検査の略称で、アイゼンクが、自らのパーソナリティ理論に基づいて開発した質問紙法のこと。具体的には、神経症傾向と外向性と内向性を測定する。日本版は、虚偽尺度や検証項目を含む80の質問項目からなる。

 

エゴグラム(109)

エゴグラムは、デュッセイが開発した性格検査。バーンの交流分析における構造分析をもとに作成され、5つの自我状態のそれぞれに対して、どの程度の心的エネルギーを配分しているかを測定する。日本ではTEGが開発・使用されている。

 

EPPS(120)

EPPSは、エドワーズの開発した性格検査。マレーの社会的欲求をもとに選ばれた15の欲求を測定する。同じ程度の社会的望ましさをもつ短い文章項目が対になって提示され、そのどちらかを強制的に選択する方法で行われる。文章の項目対は225組からなる。

投影法(155)

投影法とは、曖昧で多義的な刺激を被検査者提示し、それに対する自由な反応を得ることで、被検査者の性格特徴を把握しようとする方法。長所は、無意識的な側面を測定できる点。短所は、集団実施が困難かつ、結果の解釈に主観が入りやすい点などが挙げられる。代表例には、ロールシャッハ、TAT、P-Fスタディ、SCTなどがある。

ロールシャッハ(145)

ロールシャッハテストは、インクを落として作った左右対称の図版をみてもらい、それが何に見えるか、どのように見えるかを自由に反応してもらう投影法人格検査の1つ。開発者のロールシャッハは、何に見えるかよりもいかに見えるかという視点で知覚を重視した。結果の解釈には包括システムや片口法が用いられる。

 

主題統覚検査(144)

TATは、マレーとモーガンにより開発された。具体的には、1枚の絵から物語を作ってもらう。物語の分析を通して、被検査者のパーソナリティを明らかにしようとする。TATでは、被検査者の欲求や環境から受ける圧力が主人公の周囲で起きる出来事に、反映されていると考える、欲求・圧力理論に基づいている。

 

PFスタディ(145)

ローゼンツァイクにが、自らのフラストレーション耐性理論に基づいて開発した投影法の1つ。欲求不満場面が描かれた1枚の漫画のような絵の吹き出しに、自由にセリフを書き込んでもらい、それを分析する。欲求不満状態に対する反応を明らかにすることで、個人の精神力動を明らかにできるという考えに基づくもの。

 

SCT(152)

文章完成法の略称で、不完全な文章が提示され、その文章の続きを完成させる検査法。被検査者が書いた文章は、意識レベルと無意識レベルの中間、つまり、前意識レベルの投影であると考えられている。そのため、投影法ではあるが、回答の歪みが生じやすいといった短所がある。テストバッテリーの1つとして用いると効果的である。

 

ソンデ・テスト(128)

ソンディテストは、正式名を、実験衝動診断法といい、ソンディが、自らの運命分析理論を実証するために開発した投影法。1930年代までのヨーロッパ人の精神障害者や犯罪者の顔写真48枚を見せて好きな顔写真と嫌いな写真を選んでもらい、被験者の衝動や葛藤を診断する。

 

描画法(162)

描画法とは、被検査者に絵を描いてもらい、その絵を分析することで性格特性を把握しようとする投影法の1つ。言語能力に依存しないため、言語表出が困難な対象に有効である。ただし、絵の分析には熟練が必要で、分析者の主観が入りやすいため、テストバッテリーの1つとして用いるのが望ましい。代表例には、HTPやバウムテストがある。

 

人物画テスト(152)

人物像を描いてもらうことによって、被験者の発達の程度や性格特性を測る描画法を広く人物画テストと呼ぶ。代表的なものに、DAMDAPがある。人物画を最初に性格検査として用いたのは、マッコーバー。日本で標準化されているのは、DAMであり、「人をひとり描いてください」と教示し、男性像のみを採点の対象とする。

 

バウムテスト(164)

バウムテストとは、コッホにより開発された、投影法の1つ。標準的な実施方法は、A4の用紙に「実のなる木を1本描いてください」という教示のもとに行われる。描かれた1本の木をその人の自己像とみなし、大きさ、形、バランスなどから被検査者の特徴を推測する。あくまで補助的な理解にすぎず、テストバッテリーの1つとして用いられる。

HTPテスト(146)

HTPテストは、バックにより開発されたテストで、家と木と人を描いてもらい、性格特性を捉えようとする描画法の1つ。家には家庭環境が、木には無意識的な自己像が、人には現実的な自己像がそれぞれ反映されやすい。HTPテストは、実施が容易である一方、解釈に熟練を要するため、結果の客観性と信頼性に問題がある。

 

風景構成法(153)

風景構成法とは、1枚の紙に風景を描いてもらう芸術療法の1つであり、中井久夫によって開発され、のちに投影法としても用いられる様になった。もともとは、統合失調症患者と言語交流を補うために創案された。投影法の中でも描画者の自由度が高く、解釈が標準化されていないのが特徴。

 

動的家族画(126)

バーンズとカウフマンが開発した描画法の1つ。被検査者に家族が何かしているところを描いてもらう。家族画には、個人の性格のみならず、家族間の関係性や対人関係の態度が投影されると考える。家族成員同士で画を見せ合うことで、家族集団全体の力動性を知ることも可能。






作業検査法(158)

作業検査法とは、被検査者に簡単な作業を行わせて、その作業結果から性格特性を捉える方法。代表例に、内田クレペリン精神作業検査がある。作業検査法は、言語能力の依存が少なく、回答の歪みも生じにくいが、得られる情報はさほど多くなく、被検査者の一側面を把握するにすぎない。そのため、テストバッテリーの1つとして用いることが多い。

 

内田クレペリン作業検査(143)

クレペリンが研究した1桁の連続加算作業を、内田勇三郎が改良してできた日本独自の作業検査。作業に性格が反映されると考えたのはクレペリンだが、検査手続きを開発したのは内田である。実施や結果の整理が容易かつ集団でも実施が可能な反面、作業が単調で、被検査者に苦痛を与えかねないという欠点がある。



ベンダーゲシュタルトテスト(139)

ベンダーが開発した、作業検査法の1つ。図形9つを1つずつ提示し、時間制限を設けずに模写させる手法で、図形はゲシュタルト心理学創始者であるウェルトハイマーによるもの。描写の正確さ、線の乱れに注目し、脳機能の障害を査定する。人格の成熟度、知的側面の遅れなどを判断することもある。