フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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【記述対策・臨床心理士の職域】500字前後

 

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臨床心理士の職域

試験対策に500字前後で文章をまとめてます。

 

 

 

悩み相談とカウンセリングの違い(506)

 

臨床心理士が行うカウンセリングと友人にする悩み相談では以下のような違いがある。

 

 第一に、関係性についての違いがある。通常、悩み相談は、友人や知人などそれ以前からの関係性に基づいて行われる。一方、臨床心理士が行うカウンセリングは、それ以前に関係性はなく、クライエントとの関係は治療契約であり多重関係を持たない。

 

 第二に、治療の枠組みに関する違いがある。悩み相談の場合、日時、場所、時間、面談方法など決まってないことがほとんどである。一方、カウンセリングの場合、心理検査を行い、治療仮説と計画を立て、インフォームドコンセントを得た上で、治療契約を結ぶ。そのため、日時や場所、面談方法なども決まっており、守秘義務も発生する。

 

 第三に、相談の際に寄って立つものに違いがある。悩み相談の場合、友人や知人は、自身の経験や人間観、に基づいてアドバイスするといった形で相談者の悩みに反応することが多い。一方、臨床心理士が行うカウンセリングは、科学的根拠に基づいて相談者に介入すると共に、基本的にアドバイスをすることはなく、クライエントが自分で自分の悩みを解決するための支援をするという姿勢で接するのである。

 

 

臨床心理士の役割とその専門性を他の職域と比較しながら述べよ(510)

 

 臨床心理士とは、心理学的な専門知識や技術に基づき、クライエントを尊重しつつ、生活上の適応を支援する専門職業人に対して認められる資格である。臨床心理士の成すべき業務としては、臨床心理査定、臨床心理面接、臨床心理学的地域援助、研究の4つが規定されており、これら全てについて高度な専門性が求められる。

 

 臨床心理士と比較的職域が近いのは、精神科医精神保健福祉士などであるが、これらの専門職とは以下の様な違いがある。

 まず、精神科医は、精神的な病気・障害の診断に基づいてその治療を行うことが仕事である。また、精神保健福祉士は、福祉行政の枠組みの中で精神障害者への生活上のアドバイスやサポートが仕事である。それに対し、臨床心理士は、対処者を問わず、査定に基づいて社会適応への心理学的支援をすることが仕事である。

 

 そのため、臨床心理士は、病気が治った後の社会適応の援助を考慮している点で精神科医とは異なり、対象者を精神障害者に限定しないという点で、精神保健福祉士とは異なるため、臨床心理士の専門性が確保されている。

 

 つまり、以上の様な専門性を活かし、クライエントの生活の再適応に携わることが、臨床心理士の役割であり、存在意義となる。

 

 

 

スーパービジョンの意義とその注意点について述べよ(500)

 スーパービジョンとは、臨床心理士がその専門性の向上のため、自分よりも経験豊かな臨床家から、特定の臨床事例について指導・助言を受けることである。この時、指導を受ける側をスーパーバイジー、指導する側をスーパーバイザーと呼ぶ。

 

 心理臨床の実践的な技術や着眼点は、臨床でしか培うことができない。そのため、経験の浅い初学者の場合、スーパービジョンを受けて自らの不足を補わないと、クライエントに適切な支援を提供できない可能性がある。また、初学者のみならず、経験を積んだ臨床家であっても、自身の偏った視点を指摘してもらったり、一層の技術向上を目指したりするためには、スーパービジョンを受けることが望ましい。

 

また、スーパービジョンは、ただの専門性の向上だけでなく、臨床心理士自身の精神的安定を図る目的もある。これにより、クライエントの立場を追体験することも可能となり、よりクライエントに共感できるようにもなる。

 

 ただし、バイザー頼みにならない様に注意もせねばならない。確かに、バイザーは、バイジーに助言や指導をされるがそれが全てではない。そのため、スーパービジョンで得たものを糧に、自分で考えていかなければならない。

 

 

 

スーパービジョンとコンサルテーションの異同を述べよ。(509)

 

スーパービジョンとコンサルテーションはどちらも臨床心理士が行う介入支援であり、間接的にクライエントに関わる点では共通しているが、以下の様な違いがある。

 

 第一に、対象とする相手に違いがある。コンサルテーションの場合、クライエントに直接関わっている領域の異なる専門家ないし非専門家を臨床心理士が支援する。一方、スーパービジョンの場合、領域が同じ専門家を対象とする。

 

 第二に、目的に違いがあある。コンサルテーションの場合、エンパワメントを目指す。つまり、個々の問題解決能力の底上げを援助するコミュニティ支援の1つとして位置付けられる。一方、スーパービジョンは、専門性の向上を目的として行われ、教育的な意味合いが強い。

 

 第三に、関係性について違いがある。コンサルテーションの場合、臨床家と専門家の関係は対等である。一方、スーパービジョンの場合、教える者と教わる者という意味合いがあるため、上下関係が存在する。

 

 第四に、責任の所在について違いがある。コンサルテーションの場合、助言をする臨床家がクライエントに対し責任を持つことはない。一方、スーパービジョンの場合、クライエントに対し、スーパーバイジー同様に責任を持つ必要がある。

 

 

臨床心理学における職業倫理について、インフォームドコンセント守秘義務・多重関係の3つを述べよ(502)

 

臨床心理学的支援は他者の人生を左右する可能性をはらむため、以下の様な倫理的配慮が必要である。

 まず、カウンセラーから十分な情報提供を受けたクライエントが、納得の上で支援を受けることに同意する必要がある。これをインフォームドコンセントと呼ぶ。この時、カウンセラーは治療仮説、治療計画などを可能な限り丁寧に説明しなければならない。

 次に、クライエントの秘密は保持されなければならない。カウンセリングの相談内容は守秘性の高い情報ばかりで、その秘密が守られると信じられるからこそ、クライエントは自己開示をすることができる。ただし、クライエントが自傷・他害の計画を告白した場合など、秘密を保持することが不利益をうむと判断される場合は、守秘義務は一時的に解除される。

 最後に、カウンセラーとクライエントの関係は、治療契約に基づく治療同盟でなければならない。その同盟に置いて、両者が治療枠を守ることによって、カウンセリングは治療的効果を持つ営為となる。そのため、カウンセラーという役割以外の個人的関係をクライエントとの間に形成する多重関係は禁止される。それは、関係性をあいまいにし、治療枠を壊す行為だからである。

 

 

 

心理臨床における秘密の取り扱いについて述べなさい。またその秘密の取り扱いの原則が解除される場合も具体例を交えて述べよ。(482)

 

 まず、心理臨床の場は、クライエントに対して秘密の保持を約束することによって成立するとも言える。すなわち、心理臨床の場において、クライエントについて知り得た情報については、一般に公表することはないことは当然であるが、クライエントの家族をはじめとした周囲の人々に対してもその情報を漏らす様なことをしないということである。

 

秘密の保持を遵守することにより、クライエントとセラピストの関係性の基盤が形成され保持される。この秘密の保持からの逸脱は、心理臨床実践における治療関係を揺るがすものとなるため、心理臨床実践の原則として最も重要な事柄と言える。

 

 その一方で、秘密の保持の原則が解除される場合も存在する。具体例としては、クライエントの自殺企図や過激な自己破壊的行動が生じる危険性がある場合に対処する危機介入場面がある。その場合、できる限りクライエントの了承を得た上で、一時的に守秘義務が解除され、家族やその他のキーパーソンと情報が共有される場合もある。さらに、教育臨床場面において同様の事態が生じた場合には、集団守秘義務として、教職員との間でその情報が共有される場合もある。