フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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【記述対策・心理学的地域援助】500字前後

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試験対策に500字前後で文章をまとめてます

 

 

 

 

スクールカウンセラーが行う、教師への支援について、留意点を交えながら説明せよ(497)

 

 スクールカウンセラーの主要な業務は、臨床心理学的地域援助の実践である。たとえば、ある学級でいじめがあり、児童が不登校になってしまったとする。このような事例では個人対象の心理療法は効果的ではないので、SCは校長や教師などと連携し、コミュニティアプローチの支援を行う。その際、児童や学級への関与が最も強いのは学級担任なので、SCは学級担任をコンサルティとして、コンサルテーションを実施することが考えられる。

 

 ただし、学校臨床において、スクールカウンセラーと教師の関係は上下関係ではなく、学校運営に別の立場で関わる対等の関係である。そのため、教師への支援は信頼関係に基づく異業種との協働の一環として行われるべきである。SCは自分一人で問題を解決しようとするのではなく、コミュニティとしての活動を意識して、教育の専門家である教師の専門性を尊重し、連携を深めなければならない。

 

 同時に、学級担任は、その問題に疲弊したり、自己効力感を失ってる可能性もあるため、エンパワメントを実施することもありうる。いずれの場合も、不登校児童の復帰を目標としつつ、教師への心理学的支援を行うという間接的な援助となる。 

 

 

 

コミュニティアプローチと他のアプローチを対比させ、その意義と留意点を述べよ(523)

 

 コミュニティアプローチとは、臨床心理士の専門業務の1つである、臨床心理学的地域援助がこれに該当する。そして、コミュニティ・アプローチの実践は、従来型の臨床心理学的支援とは、様々な点で異なる。

 

 まず、支援の対象は、不適応状態にある個人ではなく、個人を取り巻くコミュニティである。また、心理療法のような、支援活動を臨床心理士一人で行うのではなく、コミュニティ成員との協働を想定する。そのような支援は、臨床心理士だけのものではなく、他領域の専門家や生活者のもつ能力・技能を活かすものとなる。そういった中で、臨床心理士の役割は心理療法のような直接的支援ではなく、活動を行う人々へのコンサルテーション、あるいは、活動を担う人々の連携(リエゾン)の構築など、間接的な関与も多くなる。

 

 コミュニティアプローチの目標は、病的な個人の治療ではなく、不適応状態の予防である。予防には、不適応に陥らないようにする1次予防、不適応の初期にある人々の重症化を防ぐ2次予防、不適応状態からの社会復帰を支援して再発を防ぐ3次予防の3種類がある。

 

 それらを実現するために、人間の不適応的な側面ではなく、個人の社会環境における自己効力感をエンパワメントすることが求められる。

 

 

地域援助で主要な位置をしめる”危機介入”について、その特徴と意義を述べよ。(510)

 

 

 危機とは、個人の経験する急激な状況変化や転機であり、発達において生じる発達的危機と、環境の激変によって生じる状況的危機の2種類に分けられる。これらの危機を経験した時、個人が習慣的に用いてきた対処法では解決せず、急速に恒常性を失い、強い苦痛や機能不全に陥ることを危機状況と呼ぶ。

 

 コミュニティ心理学では、危機状態を病気の様なネガティブな状態ではなく、成長を促進する転機として捉える。そのため、危機介入は個人の有能感を高める活動とされる。一方、危機介入が遅れるとPTSDなどの病的状態に陥る可能性もあるため、支援は即時的に開始しなければならない。

 

 実際の支援は危機アセスメントとラポールの形成から始まる。クライエントの安心感を確保し、介入計画を立てた上で、本人による問題の把握とそれに対する取り組みを支援する。この時に、クライエントは従来と異なる方略での問題解決を目指すので、知識や技術のサポートが必要となり、その支援はコミュニティの人的資源によって行われることを前提とする。

 

 これらの支援により、クライエントが危機を乗り越えられれば、本人の対処能力や有能感が高まり社会的に成長する。それが危機介入の目標である意義である。

 

 

 

スクールカウンセラーの担うべき仕事の内容、有効性、留意点について述べよ(497)

 

文部科学省スクールカウンセラー(以下SC)活用事業では、SCに対し、児童生徒の心理ケアの他、コミュニティアプローチを求めている。

 

 例えば、クラス内のいじめについて生徒から相談を受けた時、SCはその生徒のカウンセリングを担当し、心理的なケアを行う。ただ、いじめなどは学校組織の問題なので、個人対象の支援ではなく、コミュニティ・アプローチが有効である。SCは学校組織の問題に手出しできないため、校長や教員と連携し、情報交換をしたり、学級担任へのコンサルテーションをしたりすることで、学級内における問題の早期の終息を目指すことが必要だろう。

 

 また、バーンアウトなど、教職員の心理的問題に関する相談を求められることもある。この場合も、その教職員にはカウンセリングを通じたエンパワメントを行うが、それだけでは問題が解決しない可能性が高い。そのため、校長や他の教員との連携をはかり、コミュニティの改善を目指すのが有効だろう。

 

 ただし、SCは、学校組織外の専門家という立場であるため、学校と十分な信頼関係を作っておかないと連携が成立しない。そのため、教員との関係構築などを日常的に心がけることが重要である。