フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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フリーの臨床心理士として活動するまでの記録をブログに残します。学習知識、考察、etc...

研究論文におけるt検定の結果の記述について

 

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t検定の結果の記述

ご無沙汰してます。

やまだです。


 

こちらのブログでは、学業や仕事で僕がぶちあたった問題についてバンバン放り込んでいきたいと思ってます。更新よくとまってるけど

今回は、「t検定の結果の記述方法」を取り上げましょう。

 

ちなみに、ここでは「対応のないt検定」の場合を扱ってますので悪しからず。

human-relation.net

 

 

 

基本的な書き方

「言うは易く行うは難し」ということで、説明をするよりみて学んびましょう。

論文の「結果」パートにt検定の結果を数値で表す場合は以下のようになります。

 

  • t(12)= 3.68, p = .05

 

これを、1つずつ確認します。

 

最初に自由度をかく

まずは、最初のtの横の()内にある「12」という数字に注目します。これは「自由度」を示してます。自由度がわからないやつはおとといきやがれ

 

T値をかく

続いて、=に続く「3.68」という数字に注目します。ここにはデータ分析から得られた「T値」を記入します。

t分布表で確認できる「臨界値」ではないことに注意しましょう。

 

p値をかく

最後に、p値を記載しましょう。

この書き方は2通りあります。

 

  1. データからえられた実数値を記載する(p=.05)
  2. 仮定値を記載する(p<.05)

 

このいずれかの方法です。

ゴールデンスタンダードは「1」ですが、公開論文をみると「2」も割と使われてます。

どちらを選択するかによっても、記述形式は変わります。

 

例えば、「1」の場合、「実数値」を記載するのですから、「p=5」のように「=(イコール)」で示します。

一方、「2」の場合、「仮定値」なのですから、「p<5」のように不等号を使って、「条件式」で示すようになるわけですね。

 

有意差があった場合の記述

それでは、ここからは有意差があった場合と、なかった場合の記述の違いをみておきます。 まずは、有意差があった場合です。

 

各実験条件で,MMSEと教育歴に差がないかどうかを分析した。MMSEの得点の平均値は,AS 条件で29.14(標準偏差 = 1.01, 範囲 = 26 30)点,統制条件で28.55(標準偏差 = 1.76, 範囲 = 23 30)点であったt検定の結果,両条件の得点間に,有意な差がみられた(t (76) = 2.04, p < .05, d = .41)

引用:橋下(2019),加齢ステレオタイプへの行動的同化における認知的フュージョンの調整効果,心理学研究2019年 第90巻 第1号 pp.93-99 

 

ここで注目したいのは、有意な差がみられたの部分です。

先ほどの規則に従うと

 

  • 自由度・・・76
  • T値・・・2.04
  • p値・・・<.05

 

このようになりますね。

t分布表で自由度「76」の部分を確認すると

 

  • 95%臨界値・・・「1.992」(「76」がないので、「75」の値を採用)

となるので、「2.04」という値は「1.992」より大きいですね?

よって、「有意差あり」ということができます。

 

 

有意差がなかった場合の記述

続いて、有意差がなかった場合の記述を引用させて頂きました。

 

脅威操作の条件間で,想起した内容を鮮明に思い出せた程度が異なるかどうかを検討するために,脅威操作を独立変数とし,想起度を従属変数とした対応のないt 検定を実施した(想起度に回答の無かった6名のデータを除いた180名のデータを分析対象とした)。その結果,統制条件(M = 5.68, SD = 1.64)と脅威条件(M = 5.58, SD = 1.57)の間で,想起度に有意差はみられなかった(t (178) = 0.43, ns)。さらに,想起度が,理論的中点(4)よりも高いかどうかを検討するために,1 サンプルのt 検定を行った。その結果,理論的中点よりも有意に高いことが示された(t (179) = 47.30, p < .001)。

 引用:下田ら(2019),特性自尊心と自己評価への脅威が親友に対する評価に及ぼす影響,心理学研究2019年 第90巻 第1号 pp.80-86 

 

 とこんな感じで記述するようですね。

注目したいのは、有意差はみられなかった(t (178) = 0.43, ns)の部分です。

 

先ほどの規則に従うと

  • 自由度・・・178
  • T値・・・0.43
  • p値・・・ns

このようになりますね。

こちらも、t分布表で自由度「178」を確認すると

 

  • 95%の臨界値・・・「1.973」
  • 99%の臨界値・・・「2.603」 

確かに「0.43」という値はどちら臨界値を超えていませんね。

ということで、「有意差はない」、つまり「ns」ということになります。

ただ、この研究では臨界値がさらに大きいようですが、いずれにせよ「T値が臨界値より大きくなる」ということはないですね。

 

以上、「t検定の結果の記述方法」でした。

統計学については僕も学習中なので、興味のある方は別ブログにて投稿している統計シリーズを参考にしてみてください。↓↓

human-relation.net