フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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【論文英語シリーズ】無生物主語の訳し方

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無生物主語

こんにちは、やまだです。

本エントリーから、英論文読解のため、英語学習シリーズをはじめることにしました。

 

英論文を読むのが苦手だという方はもちろん、これから大学院を受験する方の勉強にも役立つようなコンテンツづくりをしたいと思います。

 

具体的には、毎回テーマ(主に構文)を決めて以下の内容を盛り込む予定です。

 

  • テーマの概要
  • 具体例
  • メリット
  • 使い分け
  • 練習問題(実際の論文より引用)
  • 練習問題の解説

 

大学院生なんかは、受験の時には英文頑張って読むけど、入学後の研究では読まないって方がどうやら結構いるようなので、そんな画餅を避けるためのシステムを作り上げていきます。

 

ということで、記念すべき第一回目のテーマは「無生物主語」です。

 

 

 

 

無生物主語とは

まずは、無生物主語について確認しておきます。

 

これは、文字通り、「人以外」が「主語」になっている文章のことです。

 

英語で主語が人の場合は「IYouSheHeThey」ですね。

 

つまり、それ以外は全て「無生物主語」ということになります。

 

例えば、以下のような文章が無生物主語です。

 

The news made us all excited.

(そのニュースは僕らをワクワクさせた)

 

His good looks attract a lot of people.

(彼の外見の良さが、多くの人を魅了している)

 

 

なぜ無生物主語を使うのか?(メリット①)

ただ、日本人からすると、無生物主語というのはわかりづらいものがあります。

それは、無生物主語の文章を日本語に訳出しようとすると不自然な文章になることからもよくわかるでしょう。

 

では、なぜ、英語ではそのような表現をするのでしょうか?

それは、文章をシンプルにできるからです。

 

例えば、

If you walk ten minutes, you will be there.

 

という文章を無生物主語に変換すると

Ten minutes walk will take you there.

 

のように仮定法を省いて表現することができます。

 

仮定法って会話で使うとき結構めんどくさかったりするので、このように無生物主語が使えると結構便利なんですよね。

 

なぜ無生物主語を使うのか?(メリット②)

第二の理由は、感情の介在をしなくて済むということが挙げられます。

 

例えば、

Why did you stay up late last night?

(なぜ昨日は夜更かししたの?)

 

と職場で聞かれたら、なんか責められてる気がしませんか?

 

したがって、この文章を無生物主語に変換し

 

What made you stay up late last night?

(何が、あなたを夜更かしさせたの?)

 

とすると、「あなたが悪いのではなくて、あなたの環境が夜更かしをさせたんでしょ?」

というニュアンスが出せます。

 

you」を主語としてではなく、目的語に置くことでこのような違いがあるんですね~。

 

 

無生物主語の使い所・使い分け

「無生物主語」がどういったものかわかったところで、実際にどういう場面において使えばいいのか?を考えてみます

 

 

原因を表す場合

例えば、makeやcauseをを使う場合がここに該当します。

 

  1. The COVID-19 made us cancel a lot of events.コロナウイルスによって、私たちは多くのイベントを中止した) 
  2.  Cancelation of some events caused us to stay home longer than before.(多くのイベントの中止によって、私たちは自宅にいる時間が以前より長くなった)

 

「make」を使う場合は、

  • make+人+動詞(原型)

の形になります。

 

「cause」を使う場合は、

  • cause+人+to 動詞(原型)

の形になりますね。

以上が、「原因」を表す場合に用いられる無生物主語の例文です。

では、ここでもう少し考えてみましょう。

 

「原因」をあらわすということは、言い換えれば、

 

A」という結果の原因は「B」であるという表現ができます。

すなわち、

「私の今回の結論は「A」である。なぜなら「B」だからだ」

 

という言い回しができるということです。

 

「なぜなら」という表現は、英語では「because」が該当しますね?

とうことは、上記の例文を「because」を使って表すことができるということです。

  1.  We had no choice but to cancel  a lot of events because of the COVID-19
  2. We had to stay home longer than before, because  we were obliged to do so by the COVID-19.

 

という形式に変換することができます。

主語が「無生物」から「有生物」へと変わってるのがポイントです。

 

この様にして、無生物主語の文章を、有生物主語に書き換えることができます。

逆説、「because」が使われている場合には「無生物主語」への文章の書き換えができるというわけですね。

 

手段を表す場合

続いて、「手段」を表す場合です。

例えば、allowsaveなどを使う場合がここに該当します。

 

 

  1. Zoom allowed us to drink via online.Zoomのおかげで(によって)、私たちはオンライン飲み会ができるようになった)
  2. Remotework has saved us commuting time.(リモートワークのおかげで(によって)、私たちは通勤時間を省けるようになった)

 

例文を示したところで、文構造を確認しましょう。

 

allow」を使う場合は、

  • allow++to 動詞(原型)

の形になります。

 

save」を使う場合は、

  • save++目的語(時間・労力・資源etc

の形になりますね。

 

以上が、「手段」表す場合に用いられる無生物主語の例文です。

 

 

では、先ほどの例文を「有生物の主語」に書き換えるとどうなるか考えてみます。

 

  1. We became to drink via online by zoom.
  2. We could  save our commuting time by remote work.

 

こうなりますね。

目的語に位置していた「us」を主語にして「We」を使います。

次に、主語だった「zoom」や「remotework」を末尾に移動させ、「by」を使って表現することで「手段」であることを表現するのです。

 

 

条件を表す場合

例えば、takeleadなどを使う場合がこれに当たります。

 

 

Going down this street will take you to the sushi restaurant.

(この道を行けば、駅に着くよ)

 

Yamanote Line leads you to Shinjuku.

(山手線にのれば、新宿に着くよ)

 

 

例文を示したところで、文構造を確認しましょう。

 

take」を使う場合は、

  • take++to+場所

の形になります。

 

lead」を使う場合は、

  • lead++to+場所

 

の形になりますね。

どちらも構造は同じです。

 

以上が、「条件」表す場合に用いられる無生物主語の例文です。

 

 

では、これらの文章を「有生物の主語」に書き換えるとどうなるか考えてみます。

  • If you go down this street, you will be at the sushi restaurant.
  • If you take Yamanote Line, you will be in the Sinjyuku station.

 

ちなみに、「make」を使う場合でも「条件」として書き換えることが望ましい場合もあります。

 

例えば、

  • Exercise during pandemic makes you avoid gaining weight.(パンデミックの最中に運動すれば、体重増加を避けることにつながります。)

という無生物主語の文章があったとしたら、以下の様な書き換えが可能です。

 

  • If you exercise during pandemic, you can avoid gaining weight.

でもいいですし、

  • You can avoid gaining weight by exercise.

 

でもOKですね。

 

無生物主語を訳すためのコツ

では、最後に実際に論文を読むにあたって、どのように読解していけばいいいのか?

そのためのコツというかポイントを最後に触れて、練習問題に取り組んでもらうことにしましょう。

 

 

訳し方のパターンは2つあります。

 

「~のおかげで」、「~のせいで」のように副詞的に訳す

 

この場合、無生物主語が好ましい状況をもたらすのか、それとも好ましくない状況をもたらすのか考えると自然な訳出になります。

 

例えば、「原因・理由」のところで挙げた以下の文章を考えます。

  • The COVID-19 made us cancel a lot of events.

 

さて、「 COVID-19」は、「好ましい状況」と「危うい状況」どちらをもたらしたでしょうか?

 

立場によって、どちらもあるかもしれません、一般的にはまあ、「危うい状況」ですよね。

 

なので、その場合、は「~のせいで」と訳出すると自然です。

 

  • The COVID-19 made us cancel a lot of events.

コロナウイルスのせいで、多くのイベントが中止になった」

 

こんな感じの訳出になりましょう。

ただ、「原因・理由」のところでは、

コロナウイルスによって、多くのイベントが中止になった」

のように訳していますが、これもありです。

ただし、ニュアンスが異なります。

 

無生物主語を使うメリットの1つに、「余計な感情を与えないで済む」ことをあげましたが、日本語の訳出の仕方によってはそれが現れることがあります。

それが上記のような場合です。

 

後者に比べると前者の方が、「気持ち」が入ってる気がしませんか?

 

それは「〜のせいで」という表現を使っているからですね。

なので、「〜のせいで」を使うか「〜によって」を使うかは文脈を見極めて判断する必要があるということですね。

 

「〜すれば」と条件節のように訳すパターン

2つ目の訳出方法は、「If文のように訳す」方法です。

具体的には、「~すれば」のように訳します。

 

例えば、この記事ですでに取り上げた以下の例文

 

If you take Yamanote Line, you will be in the Sinjyuku station.

 

これを訳すと

「もしあなたが山手線に乗れば、新宿駅に行くことができます」

とこのようになります。

 

で、この文章を無生物主語にすると

 

  • Yamanote Line leads you to Shinjuku.

 

ということでしたね。

 

なので先ほどの訳出から「もし」と「あなたは」という言葉を取り除いて訳出すると自然な感じになります。

 

  • 「山手線に乗れば、新宿駅に行けます」

 

といことですね。

 

 

このように、論文読解をする時には

  1. 「~のせいで」、「~のおかげで」のように副詞的に訳す
  2. 「~すれば」と条件節的に訳す

 

いずれかのパターンを意識しておき、あとは文脈に応じて使い分けるのが望ましいでしょう。

 

 

練習問題

では、ここからが本番です。

 

実践に勝るトレーニングはありません。

 

論文から引っ張ってきた文章を使ってちょっと訳出を考えてみてください。

 

テーマは「質的研究」です。 

 

    『Intuitive Inquiry: Inviting Transformation and Breakthrough Insights in Qualitative Research

 

As a research method, intuitive inquiry seeks to engage our full humanity, including our aesthetic, imaginal, and transformational capacities, in the conduct of qualitative research.Transformation of the researchers understanding of the topic under study and breakthrough insights are actively sought.As the transformation of the researchers understanding unfolds over the course of a study, the transformational process is contained procedurally in a five-cycle hermeneutic circle of ongoing interpretation, designed to move the intuitive process forward at a reliable, structured pace. This procedural containment invites researchers to enrich their understanding of the topic safely, rather like good psychotherapy supports healing and change.

 

引用:Intuitive Inquiry: Inviting Transformation and Breakthrough Insights in Qualitative Researchより

 

 

答え

解答と解説は以下のページより確認できます。

https://human-relation.net/page-7614/

 

  

 次回は、分詞構文について取り上げたいと思います。