フリーランス臨床心理士になるまでの軌跡

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分散分析の記述について〜F( )内の数字の意味〜

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分散分析の記述

こんにちは。やまだです。

本日は、分散分析の結果の記述について考察します。

 

論文中でよくみられる

 

××では性の主効果が認められ,○○よりも△△のほうが有意に高かった(F (1,88)=2.03, p<.05)」

 

の様な表記にみられる太字で示した数値の意味についてです。

 

 

ですので、

  • Fの( )内の数値の意味がわからない

 

という方向けのエントリーです。

そこんとこよろしくどうぞ。

 

結論〜F(群間の自由度,郡内の自由度)

まずは、結論からいきましょう。見出しの通りです。

Fの右にある( )内の数字は、2つの自由度を示しています

 

  • F(郡間の自由度,群内の自由度)=2.03,p<.05

ということです。

 

以下の例を使って、具体的に数字を追ってみましょう。

 

  • (F (1,88)=2.03, p<.05)

 

まず、Fのすぐ右側にある()内には、(1,88)と数字がありますが、

これが「2つの自由度」です。

 

つまり、()内には「1」という数字と88という数字の「2つ」があり、その間にある「点」は「ピリオド」ではなく「カンマ」です。

まずこのことを理解します。

 

したがって、これを1.88」の様に、1つの数字であるという認識は誤りです。

 

 

自由度

次に、2つの自由度について深掘りします。

すでに述べたとおり、Fの( )内の数字は

 

  • F(郡間の自由度,群内の自由度)

 

です。

 

分散分析の仮説検証は、分散分析表の値をF分布表に照らし合わせながら行います。

この意味がわからない方は↓↓こちらをお読みください。

 

human-relation.net 

 

つまり、分散分析表から、F分布表の横軸と縦軸の数字を決定し、その交差する値をみつけ、そこから有意差があるか否かを判断します。

 

で、その時に使う横軸と縦軸の値が

 

  • 横軸の値=群間の自由度
  • 縦軸の値=郡内の自由度

 

となるわけです。

 

具体例の検証①

ただ、それだけでは不安という 方のために、実際の論文と照らし合わせをしておきましょうか。

 

まずはこちら。

他者志向性では性の主効果が認められ,男子よりも女子のほうが有意に高かった(F (1,571)=4.03, p<.05)。

(引用:他者志向性への自己肯定感とソーシャルサポートとの関連

 

 

この場合のFの( )内を見ると、「1」と「571」です。

つまり、

 

  • 横軸の値=群間の自由度=1
  • 縦軸の値=郡内の自由度=571

 

ということです。

では、これらの値の計算はどのようにして行われているのか?

ということが続く疑問でありますが、ここでは結論のみ示しますので、そのプロセスを詳しく知りたいという方は↓↓を参照ください。

 

human-relation.net

 

ただ、上記の記事は、1要因3水準ですが、ここで取り上げた論文では、2要因5水準の分散分析が実施されているという点で違いがあります。

なので、公式だけ示しておきます。

 

  1.  各要因の自由度=水準数-1
  2. 交互作用の自由度=要因の自由度を全て掛け合わせた値
  3. 全体の自由度=サンプル数-1
  4. 残差(群内の自由度)=全体の自由度-各要因の自由度-交互作用の自由度

 

です。

まず、①番についてですが、論文では「性別」と「学年」で要因が2つです。「性別」は「男」と「女」、「学年」は「1年〜3年」なので、各要因の水準数は

 

  • 性別・・・2
  • 学年・・・3

と、なります。

したがって、先の自由度の計算をすると

 

 

  • 性別(要因①の自由度)・・・1
  • 学年(要因②の自由度)・・・2

 

ということです。

続いて、②番の交互作用の自由度ですがこれは、2つの要因を掛け合わせるだけなので簡単ですね。

 

  • 交互作用の自由度・・・2

 

です。

 

次に、全体の自由度を求めるためには、サンプル数を確認する必要があり、論文中には、このように記載があります。

20089月,公立高校1~3年生589名を対象 として,クラスごとの一斉法により無記名形式 で質問紙調査を実施した。性・学年に記入もれ のあったものを除き,583名を分析対象とした。

(引用:他者志向性への自己肯定感とソーシャルサポートとの関連

 

しかし、論文の「Table3 性と学年を要因とした分散分析結果 」を見ると、

N数の合計は、「577」です。

 

よって全体の自由度を求める計算は

 

  • 577-1=576

 

となり、576」を全体の自由度として扱います。

数を減らしたなら論文のどこかに記載しておいて欲しいですけどね?

 

最後は、残差(群内の自由度)です。

 各項目の自由度は以下の通りでした。

 

  • 全体の自由度=576
  • 要因①の自由度=1
  • 要因②の自由度=2
  • 交互作用の自由度=2

 

したがって、

  • 残差(群内の自由度)=576-1-2-2

 

で答えは、「571」ですね。

 

 これで全ての自由度が判明しましたので、最初の引用に戻ります。

 

他者志向性では性の主効果が認められ,男子よりも女子のほうが有意に高かった(F (1,571)=4.03, p<.05)。

(引用:他者志向性への自己肯定感とソーシャルサポートとの関連

 

Fの( )内の値は、「1」と「571」でした。

F(郡間の自由度,群内の自由度)でしたが、群間の数字に関しては、どの要因の主効果か、交互作用の効果をみるのかによって値がかわります。

今回は、「性(要因①)」の主効果について言及しているため、ここに入る値は「1」ということになりますよね。

一方、郡内の自由度は、「571」ということで、先ほど求めた値と合致しています。

 

 

ぜひ自分でも「学年」の主効果および、交互作用のFの( )内の数字を確認してみてください。

 

学年の主効果(F(2,571) =1.09, n.s.)および交互作用(F(2,571)=0.12, n.s.)は認められなかった。

(引用:他者志向性への自己肯定感とソーシャルサポートとの関連

 

その他参考

最後に、以下の文献でも分散分析やってるので、自由度の求める際の参考に活用させてもらうといいかもしれません。

ci.nii.ac.jp

 

 

本日は以上になります。